実機とモデルプレーンでは、素材も、ベースとなる色も、塗る厚みも、そしてそれを見る光の環境も異なりますし、色サンプル通りにしたとしても見た目上差異が生まれます。Peach機には退色を防ぐクリア塗装もトップコートになされていて、それによって光り方や空の色の影響の受け方など見え方が特殊に感じることもあります。そのため、透明感を求めて「もう少し明るい色に」とか「落ち着きのある色に」とか人の目で調整をしていくのです。これが非常に難しい!
私も出来上がってくる試作品を見比べながら何度も直しをして、メーカーの方には「もうこれで勘弁してください」と言われるほど粘り強く調整を重ねてもらいました。
ちなみに、さきほどの答えは4種ですが、もっと多いと思っていましたか?写真にある4種のマテリアルプレートの色が機体のどの部分に塗られているか、じっくり見てみてくださいね。垂直尾翼には4種のカラーと白のロゴでデザインされています。
モデルメーカーのデフォルトモデルにはないディテールも、せっかくですからオリジナルの要望として書き加えました。せっかくなら、パイロットや整備士の教育の場でもこのモデルプレーンが手にされるようにしたいではないですか。
例えば、各カーゴドア、ノーズギアのドアのレジ番(JA801Pを表す01・JA825Pを表す25)、PACKのアウトフローバルブ(与圧関係の扉)、RAT (Ram Air Turbine:非常時に使う風力原動機) のマーキング、エンジン後部の塗り分けなどです。
もちろんエンジンのファンブレードが回るなど、ホーガン・ウイングスのデフォルトも受け継ぎました。
少しでも精巧にしたい、その気持ちからついつい色々と手を加えてしまいます。細かさを追求し続けると価格も大幅に上昇してしまいます。昨今、ただでさえ価格が高騰しているモデルプレーン業界ですから、手頃感とディテール感との良いバランスのところを今回は追求することになりました。それでもこの高級なお値段となったことは、子供用の単純な玩具とは違ってディテールも色もモデルプレーンメーカーの限界までこだわり抜かれた結果としてお許しください。
スナップフィットモデルだが、いろんな形態を楽しめる。
地上姿勢・飛行姿勢どちらで飾る?
(背面の構造。ギアの出た状態、しまった状態と2通りのアレンジが楽しめる。)
当スケールモデルにはパーツがたくさん付いてきます。その総数はスタンドを含んで15。ランディングギアまたはギア扉のパーツを選び、ランディングギアが出た状態の「地上姿勢」とギア格納状態の「飛行姿勢」の2通りを再現できます。スタンドは、機体を載せたときにダイナミックに飛行しているように見えるよう若干の傾き(バンク)をつけていて、美しいディスプレイスタイルを楽しめます。
パッケージも新たにデザインし、Peachブランドを全面に採用したフル・オリジナルとなりました。スナップフィット(組み立て式)モデルの再現限度にチャレンジし、Peach史上最もこだわってみたスケールモデル。ぜひお手元にとっていただき、次なる展開を応援いただけたらと思います!